NHK Eテレの教育番組「デザインあneo」のオープニング映像と「あのテーマ」の企画制作を担当しました。あの文字とまるい穴のみで構成したオブジェクトアニメーションです。
デザインの手前にある、見ることの楽しさを可視化した映像デザインです。
Artdirection+Design: Tomohiro Okazaki
Music: Shuta Hasunuma
HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE AUTUMUN WINTER 2022/23 COLLECTION の PARIS MEN’S FASHION WEEK にて発表した映像ショーの告知グラフィクと、ティザー映像のデザインを担当しました。前回のシーズンと引き続き、印刷物と映像を等価値に捉えた、紙の平面情報と時間軸に乗せたグラフィックデザインを両立させた仕事になります。アーチ型の構造を起点につくられた衣服のデザインの思想から、その構造を抽象化し、紙の情報と合わせることでこのティザー映像のグラフィックは成り立っています。
印刷物のDMのデザインは、シンプルに機能的な情報構成とし、基調となる色は特色インキを複数回刷り重ねることで強さと深さを引き出しています。また、紙の地と、インキのグロス、グロスニス、銀インキの光の反射を的確に配置しデザインしています。
21_21 DESIGN SIGHT にて2021年12月より開催の企画展「2121年 Futures In-Sight」展にてコンテンツを提供しています。
展覧会名のとおり、今から100年後の世界を想像するための多様な問いとその背景にある視座を集める展覧会です。可能性についてのポジティブな未来でもなく課題意識を持つようなネガティブな未来でもないニュートラルな姿勢をもとに「人間の手作業は100年後にはどのように変化しているのでしょうか?」という問いを立て、「手でつくる時間」という展示コンテンツをデザインしました。背伸びをせずに普段の私の活動から自然に出された問いです。人間の身体性はそんなに変わらないよねであったり、いやいや道具やテクノロジーの進化で飛躍的にできることが発展するでしょうなどと、頭で考えることは簡単ですが、その「手でつくる時間」の時間そのものについて向きあってみるきっかけをと考えました。
1分ちょうどの砂時計をストップモーションの技法で手作業でつくり、その制作過程の実時間の映像と、アニメーションとして仕上がった砂時計の映像が、表裏一体となって展示されているコンテンツです。コマ撮りアニメーションで砂を扱うのは意外と難しいのですが、作業工程が少し多いため、制作時間は10時間4分かかっています。展覧会会場の開館時間は10時から19時までの9時間ですので、開館時間内に終わらない映像体験となっています。
黙々と集中し、手で作業をしている時間そのものを展示する試みです。
開館している日は、毎日、朝から砂時計の砂を黙々と筆を使って移動させはじめます。おそらくお昼前頃にはもうひとつの道具を使いはじめて作業をしている頃と思います。日暮れには段々と砂が下段に溜まっていっているかと思います。閉館あたりでは、ほとんどの砂を移動させているはずです。そういった時間を展示しています。
展覧会において挿絵のように機能すればと考えています。
ISSEY MIYAKE 2021年のホリデーシーズンアイテム「WOOL SHELL KNIT」の為の映像とパッケージをデザインしました。
映像は、WOOL SHELL KNIT が持つ巻貝のような形状の組成から生まれる柔らかい質感を体感できるようなディテールから、服のデザインから引き出せるユーモアのある動き、そして服と人間との関係性の中にある豊かさを観察するように、紙芝居のようなアニメーションで目の中に喜びを生むような展開の構成をデザインしています。映像は最後に再び服のディテールを見て終わります。
パッケージのデザインは、このお仕事のお話をいただいたタイミングはコロナ禍のはじまりから一年ほど経った時でしたので、大きく生活への意識が変わっていた時でした。以前であればホリデーシーズンのパッケージであれば、ある種のがっしりとしたボックスのような、華美さや特別さをまとったデザインになりがちだと思いますが、大きく個人の感覚的にもそういった価値観から、もっと素直な生活への眼差しを大事にしようとする価値観へと変化していることを感じていました。ですので、今回のホリデーシーズンのパッケージは「紙で包むだけ」という無理のない素直なデザインを提案しました。
ハトロン紙とよばれる、薄手で柔らかい白い紙に、白インクと銀インクをつかってグラフィックを載せていますが、このグラフィックは、大阪大学大学院教授・生命科学者の近藤滋さんの研究による、貝殻の形状ジェネレーターで生成した貝の形状グラフィックです。実はすべての種類の貝の形状をいくつかのパラメータのバランスだけでつくることができるのです。二枚貝から巻貝までも全種。そんな自然の形である貝の形に潜む面白さや豊かさを数理で解いていくとても豊かで面白い研究です。今回のイッセイミヤケのシーズンアイテムは、数理とはまた別の視座から貝殻などの自然の形から発想して生まれていますが、共に自然のありのままの姿と向き合った時に立ち上がる美しさと好奇心が共通しているなと感じました。ですので、服を購入して頂いた人達と、貝の研究の文化とを結び繋げるような構造をデザインできないかと思いました。きっとグラフィックデザイナーは、情報の色形を構成する以外にも、こういった、存在と存在を結びつけることのデザインができる可能性があると感じています。
そういう気持ちでデザインをしました。
映像はこちらから
2021年9月にリオープンしたユニクロ銀座店のあたらしいモーションサインの企画・デザインを担当しました。
これまでのユニクロの白と赤の強いグラフィックイメージから、現在Life Wearとして展開している、暮らしの中の豊かな質と向き合う姿勢の変化を感じ、少しゆったりと、暮らしの豊かさに寄り添うような佇まいを意識しつつ、生地でできた数字のタイポグラフィーが物性のままにモーションする、ユニークでポジティブなユニクロらしいサインの在り方をデザインしています。
JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)の会員向けのイベントのためのロゴデザインおよび、ロゴモーションを担当しました。「で」と「デ」が回転機構により入れかわり続けるロゴデザインです。
HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2022 COLLECTION が PARIS MEN’S FASHION WEEK にて発表した映像ショーの告知グラフィクと、ティザー映像のデザインを担当しました。
印刷物と映像を等価値に捉えて、印刷の色校正の余白いっぱいにアニメーションの図版を印刷し、その印刷物を撮影して時間軸上に並べることで動画と印刷物のデザインを同時に制作しています。主役である本編の映像を期待させる、必要情報要素のみに抑制を効かせた告知のデザインです。
https://www.isseymiyake.com/ja/news/7887
2021年4月より開設された、子供たちが科学や数理、自然から学び創造するための施設「AkeruE(アケルエ)」のロゴおよびVI計画のデザインを担当しています。
ひとつの大丸と五つの小丸で構成された回転構造を持つロゴです。小丸の決まり位置は自然や数理の中から発見される幾つかの角度(地球の軸の傾き、水分子の結合角度、黄金比、正三角形の内角)に基づいています。子どもたちが創造するために駆動する抽象的なマークになってほしいなと考えています。
ロゴデザインは、空間にて展開する様々なグラフィック要素へもその構造を応用しながら展開されます。施設の各エリアを示すマークやピクトグラム・サインなどの要素のデザインにも「まる」を構造的にもつグラフィックを空間を構成する様々なマテリアルに載り展開しています。ポスターや交通広告、スケッチブックなどの印刷物では、「まる」に様々な色を与えた活動的な印象を、ミニマムな平面造形の中で使用しています。要素としてはシンプルですが、それらが反復/構成されることにより単純には捉えきれない好奇心の可能性を感じられるようデザインされています。