ERATO川原万有情報網

東京大学のERATO川原万有情報網プロジェクトの成果発表会のアイデンティティおよびキャプション等のグラフィックデザインを担当しました。
新しくできた目白台キャンパスの一角を使用した展示です。このエリアで使用するために作られたロの字型の家具(机になったり休息スペースや棚としても活用できる)をうまく利用しながら展示プレゼンテーションが構成されています。
 
そこで、様々な研究事例を一貫したトーンで伝えるために、キャプションをフォーマットエレメントとして活用していく考え方でデザインしています。重ねたアクリルにUVインクジェットで情報を構造化しています。UVインクジェット印刷やアクリルのレーザーカットはキャンパスの内製です。そこにある環境をうまく繋げながら無理のない制作を念頭に置いて設計しています。
 
また、各プロジェクトはこれまでポストカードサイズの研究紹介カードを作ってきた流れがありました。ですので、今回あらためて研究ごとのビジュアル要素はつくらずに、すでにあるポストカードをキャプションの隙間に挟み込む事で、新しく一体化した情報伝達を構築するデザインとなっています。
 
これまでの研究プロジェクトの数は300にも及び、ポストカードの数も相当量蓄積されていました。それらをアーカイブするための箱もつくりました。元々はこの展示のポスター等を想定して予算組みがありましたが、コロナ禍での外部掲出ポスターへの注力よりも、きちんとアーカイブすることに向けた方がより良いことなのではないか?と提案をしデザインしました。箱の表面にはERATO川原万有情報網のプロジェクトロゴと共にこれまでの全ての研究名称が銀インクで印刷されています。見る角度で研究名が紙に溶け込んだり、際立って見えたりします。

CL: 東京大学
Artdirection + Design: Tomohiro Okazaki
Website direction + coding: Miyuki Chida
Paper Box Printing: FUKUNAGA SHIKO